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- ベンゼン 分子軌道 エネルギーベンゼンの分子軌道をパソコンなどではなく手で計算しようと思ったのですが、可能でしょうか?あるエネルギー準位においては係数6個を定めることができないと思うのですが?(すべての準位を試したわけではありませんが)環状でなければ アゾベンゼン分子 ベンゼン環2つが窒素二重結合(アゾ基)によって連結された構造をもつ化合物。可視光領域に非常に強い吸収を示すため、色が濃く、古くから染料として用いられてきた。 新しく出来た分子としての軌道を,「分子軌道」と呼ぶ. 元々は1s軌道であっても,この軌道は既に1s軌道では無い. (形もエネルギーも全く違うため).そのため違う名前となる. 名前の付け方はいろいろあるが,σ型の結合性軌道ならσ 1s やσ 分子軌道 (mo) は電子が見出される可能性が高い分子中の領域を表わす。 分子軌道は、原子中の電子の位置を予測する原子軌道の結合によって得られる。分子軌道は分子の電子配置(一電子〈あるいは電子の対〉の空間的分布ならびにエネルギー)を詳細に記述できる。 14.ヒュッケル分子軌道法(1) 15.ヒュッケル分子軌道法(2) 2011年度授業内容 12 多原子分子系の分子オービタル 多原子分子の分子オービタルは,二原子分子のときと同じ仕方で作 られるが,少しだけ違うのは,分子オービタルを組み立てるのにもっと 分子中の電子は,分子全体に広がった分子軌道molecular orbitalに入っていると考えられる。 様々なエネル ギー準位を持った分子軌道があるが,基底状態(最もエネルギーの低い状態)では,低いエネルギー準位の軌 道から順に2つづつの電子が入っている。 ベンゼンの軌道安定化. まず, ベンゼンの中の電子を考えてみると, ベンゼン 骨格を作っている内殻の電子はさておいて, 6個のπ電 子は3個 の分子軌道にはいっている. 例えば、ベンゼンでは、MOモデルは6個の炭素原子上の2p z AOの組合せである6つのπ分子軌道を与える。ゆえに、それぞれのπ分子軌道はベンゼン分子全体にわたって非局在化しており、MOを「占有」している全ての電子は分子全体にわたって非局在化する。 この状態を、「2つの分子軌道に分裂する」という言い方で表現することもあります。(分子軌道法でも、本当は図6のように原子間の距離によってエネルギーは変化しますが、ここでは距離は固定して考えています)。 n原子か … 高分子学会夏季大学(福井市)副運営委員長 補講日程が決まれば掲示します。 2 (1)ヒュッケル近似を適用したアリルラジカルの永年行列式を展開し, 分子軌道のエネルギーを求め,基底電子配置を示せ.π電子数は3個 である. 0 0 0 = − − − e … ベンゼン分子のπ電子は不安定な状態にある? ... ε はそれぞれFock演算子,分子軌道への基底関数の寄与を表す係数,重なり積分および分子軌道のエネルギーです.λは系(分子)の電子構造を規定する演算子で,たとえば共役のないbenzeneの電子構造の波 … 1 量子力学のフロンティア軌道論は波動関数で考える. 「ベンゼン」とは、 C6H6で表される以下のような化合物です。 今までの有機化合物と比べても、 かなり特徴的な形ですよね。 この変な構造があることで、 ベンゼンは様々な反応を起こすことができるのです。 またそれは裏を返せば、 ベンゼンの性質をよく理解しないと、 有機化学が丸暗記になってしまうということ。 ぜひ読み飛ばさずに読んでみてください。 大学で化学を学ぶとき、多くの人で理解できないものにσ結合(シグマ結合)とπ結合(パイ結合)があります。この2つの結合の意味を理解できないため、教授が講義で何を言っているのか分からないのです。 しかし本来、σ結合とπ結合の … 以上の話を分子軌道法を用いて説明してみます。ベンゼンのπ電子軌道は、各炭素原子のp軌道が相互作用してできた、6つの軌道からなっています。ここでπ電子が6個までならp軌道が6つ単独で存在するよりも安定な状態をとれます(図6)。 電子は波としての性質を持っている。これが他の電子と近づくと干渉し合う。 その結果、波を強め合ったり、弱め合ったりし、原子のときとは違う波ができる。 分子軌道は波の干渉の結果によってできる、新たな軌道である。 N個の原子軌道からはN個の分子軌道ができる。 分子軌道には、元になった原子軌道が強め合う・弱め合う・干渉しないの3パ … ヒュッケルは、量子力学の理論を用いて、ベンゼンの6つの分子軌道の形とエネルギ ーを算出した。その結果を次の図に示す。軌道のエネルギーも図に付記した。前回と同 様、αは2p z軌道のエネルギー、βは普通の(共鳴しない)π結合の電子1つ分の結合 混成軌道の仕組みを理解すれば、分子の形や p 軌道の方向性などが分かるだけではなく、その分子の安定性なども推測することができます。 例えば、シクロプロパン C 3 H 6 は sp 3 混成炭素を 3 個持つ化合物で、次の図 .16 で示されるような構造をしています。 ベンゼン:Eπ = 2 e1 + 4 e2 = 2 ( a + 2 b) + 4 ( a + b) = 6a + 8b. 分子軌道で反応を考えるとき,homo(最高被占軌道) とlumo(最低空軌道)はキーワードである.電子が入っ ている分子軌道の中で,最もエネルギーが高い軌道が homo,電子の入っていない軌道で最もエネルギーの低い 大学で化学を学ぶとき、多くの人で理解できないものにσ結合(シグマ結合)とπ結合(パイ結合)があります。この2つの結合の意味を理解できないため、教授が講義で何を言っているのか分からないのです。, しかし本来、σ結合とπ結合の考え方は非常に簡単です。物質同士が結合するとき、しっかりくっついているのか、ゆるく結合しているのかの違いだけです。この概念さえ学べば、σ結合とπ結合を完ぺきに理解できるようになります。, またσ結合とπ結合を理解することで、化学物質の反応性を理解できるようになります。また、共有結合での二重結合、三重結合の反応性も理解できます。, 化合物の二重結合を理解するとき、どのようなイメージをもっているでしょうか。分子の模型を組み立てるときを含め、高校化学を習った人では、以下のような結合のイメージを有している人が大多数です。, ただ、この分子イメージは忘れてください。このイメージがあなたの頭にある限り、化学でのσ結合やπ結合を理解することはできません。, 分子が結合しているとき、こうした単純な形ではなく、実際には特殊な形によって結合しています。分子同士の結合には種類があり、それがσ結合とπ結合というわけです。σ結合とπ結合は明確に区別しなければいけません。, 原子が結合するとき、自分の手を出す必要があります。原子の手とは、電子軌道のことを指します。, それぞれの原子または分子には軌道があります。これらの軌道をs軌道やp軌道といいます。単結合の炭素原子に着目すると、炭素原子は1つのs軌道と3つのp軌道が加わることで、4つの手が存在することになります。つまり、炭素原子は4ヵ所で結合することができます。, このようにエタンであれば、一つの炭素原子が4つの原子と結合しています。炭素原子で4本の手が存在するのは理解できるはずです。s軌道やp軌道によって4つの手が存在する場合、これをsp3混成軌道といいます。, sp3混成軌道の場合、いろんな方向に手が出ています。特定の方向だけ手を出せるわけではなく、4つの手はバラバラの方向を向いているのです。, 電子はマイナスの電荷を帯びています。そのため、それぞれの手は互いに反発しており、結果としてそれぞれの手は異なる方向に向いています。, ただ、s軌道やp軌道、sp3混成軌道などの言葉が出てくると非常に内容が複雑になります。そこで最初、炭素原子は4つの手が存在し、他の原子や分子と結合できることだけ理解しましょう。, 炭素原子は4つの手を利用して、他の原子や分子と結合できます。それでは、炭素原子が他の原子や分子と単結合(一ヵ所での結合)する場合、どのように結合するでしょうか。当然、最も簡単な方法を選択します。自分の手を相手に出し、単結合します。, 人間でいうと、相手と握手をするとき、特に不自由することなく片腕を指し出して握手することができます。相手と強い力で手を握ることができ、これがσ結合のイメージです。, 強く握手できるため、簡単に結合が切れて離れることはありません。σ結合は非常に結合エネルギーが高く、結合力は強いです。電子軌道同士が重なることで、結合を作ります。, 当たり前のことを言っているように思いますが、この事実を理解しないと、π結合を理解することはできません。, いずれにしても、無理な体勢を取ることなく、相手と手をつなげる状態がσ結合です。共有結合の中でもσ結合は非常に結合エネルギーが強く、状態は安定しています。これは、自分の手を伸ばして相手と強く結合できるからです。, またσ結合(シグマ結合)だけで分子を構成している場合、単結合になります。C-CやC-Hの結合は単結合であり、一本の手だけでつながっています。, 単結合の場合、σ結合は回転することができます。例えばエタンの場合、すべて単結合であり、どれもσ結合です。そのためエタンでは、すべての結合で自由に軸を回転させることができます。以下はエタンの構造式です。, 炭素原子がほかの原子や分子と結合する場合、最初は必ずσ結合します。単結合はどれもσ結合であり、非常に強い結合です。, エタンは反応性が低いことで知られています。有機化合物が反応して他の化合物が生成されるためには、結合が切れなければいけません。ただσ結合は結合エネルギーが強く、分子同士が強く結びついているため、有機化合物同士で反応を起こすのは難しくなっています。, 有機化学反応でエタンに非常に強いエネルギーを加えないと反応しないのは、エタンがすべて単結合(σ結合)で構成されているからです。, 一方、共有結合にはσ結合だけでなく、π結合(パイ結合)も存在します。同じ共有結合であっても、種類があります。σ結合とπ結合は別に考えなければいけません。, 先ほどまで、単結合について解説してきました。「単結合=σ結合」と認識すればいいです。一方、有機化合物の中には二重結合や三重結合を有する化合物が存在します。単結合ではなく、二重結合や三重結合をもつ化合物では、π結合ももつようになります。, それでは、π結合とは何なのでしょうか。先ほど、相手に対して手を指し出して握手をするのがσ結合だと説明しました。一方でπ結合では、相手に向かって手を指し出すのではなく、手を真上に伸ばすようにしましょう。この状態で何とかして相手と握手します。, 手を上に伸ばした状態で握手をするのは、非常に難しいように思えてしまいます。しかも相手と距離がある状態だと、手をつなぐのは不可能です。いずれにしても、真上に手を伸ばして手をつなぐのは困難だと分かります。, 炭素原子が他の分子と結合し、手をつなぐとき、前述の通り最初は必ずσ結合となります。ただ単結合ではなく、二重結合を作る場合はどうすればいいのでしょうか。, sp3混成軌道で説明した通り、炭素から出ている4本の手は方向がバラバラです。人間のように腕を自由に動かせるわけではなく、手を伸ばせる向きは既に決められています。腕の位置が固定されているわけです。, 二重結合を作る場合、この状態で何とかして手を伸ばし、相手の原子と握手しなければいけません。つまり自分の腕を真上に伸ばした状態にて、何とかして結合する必要があります。その結果、電子たちは以下のように結合します。, 結合軸に対して垂直に手を出した後、頑張って結合する状態がπ結合です。σ結合のように相手に向かって手を出せない理由としては、既に述べた通り、人間のように自由に腕を動かせないからです。腕の場所は固定されています。, 悪い体勢で手を握るため、σ結合に比べると、π結合は弱いです。つまり結合エネルギーが低く、強く手を握ることはできません。二重結合では、一つのσ結合と一つのπ結合が存在します。, 一方、三重結合ではどうなのでしょうか。三重結合では、同じようにσ結合だけでなく、π結合によって原子同士が結合します。, σ結合の結合軸に対して、横に手を伸ばすのは同じです。この状態から頑張って手を伸ばし、手を握ろうとします。三重結合では、一つのσ結合と二つのπ結合となります。, σ結合では、電子軌道が重なることで結合を作ります。一方、π結合は電子軌道が重なるというより、電子雲(電子が雲のように存在する状態)が薄く重なった状態をイメージすればいいです。, 分子同士が強く結合しており、結合エネルギーが強いのがσ結合です。一方でπ結合(パイ結合)は強く結合しておらず、手を握る力は弱いです。そのため、有機合成での反応性が高くなっています。, つまり、結合が切れなければいけません。しかしσ結合は強い結合のため、簡単には結合が切れません。単結合のみで構成されるエタンは反応性が悪いと記しましたが、これはすべての結合がσ結合だからです。, 一方、π結合はそれぞれの結合がゆるいです。π結合の結合エネルギーは低いため、少しエネルギーを与えるだけで結合が切れ、化合物同士が反応します。, π結合の説明をするとき、エチレン(エテン)やアセチレンが頻繁に利用されます。エタンは単結合だけの化合物ですが、エチレン(エテン)には二重結合があります。アセチレンは三重結合があります。, 二重結合や三重結合を有することから、エチレンやアセチレンはπ結合があります。σ結合に比べて、π結合は結合がゆるいです。そのためエタンは反応性が悪いものの、エチレンやアセチレンは反応性が高い化合物で知られています。, 単結合の化合物は安定な状態であっても、二重結合や三重結合は不安定になりやすいです。これは共有結合の中でも、π結合が強い結合ではないからです。, 一般的には、π結合は弱い結合と考えればいいです。二重結合や三重結合があると反応性が高くなるのです。, ただ、二重結合を有する化合物(π結合をもつ化合物)のすべてが弱い結合というわけではありません。例えば、ベンゼン環は二重結合によってつながっています。つまり、π結合を有しています。, ただベンゼンでは、電子がベンゼン環のあらゆる部分に存在することになり、安定した構造を取ります。そのため、エチレンやアセチレンのように反応性が高いわけではありません。, また、二酸化炭素はO=C=Oという構造です。二重結合があるため、σ結合だけでなく、π結合を有する分子です。ただ二酸化炭素は安定な分子であり、二酸化炭素を化学反応させるためには大きなエネルギーが必要になります。, π結合を有する化合物のすべてで反応性が高いわけではありません。ただπ結合の性質を理解したとき、一般的にはπ結合のある化合物(二重結合や三重結合のある有機化合物)は反応性が高いと考えればいいです。, 分子が結合するとき、多くは共有結合によって結びつきます。これら共有結合には種類があり、σ結合(シグマ結合)とπ結合(パイ結合)の2つがあります。, どの原子であっても、電子軌道を重ね合わせることで、最初はσ結合を作ります。人と握手をするとき、必ずあなたは手を相手に差し出します。それ以外に選択肢はなく、これは分子の結合も同じです。単結合はどれもσ結合と理解しましょう。, 一方で二重結合や三重結合を作るとなると大変です。原子の手は人間と違い、腕を自由に動かすことはできません。そこで結合軸に対して垂直に腕を伸ばし、頑張って相手と手をつなぐ必要があります。その結果、σ結合に比べて弱い結合になります。これがπ結合であり、エチレンやアセチレンが例として頻繁に利用されます。, ここでは、分かりやすくσ結合やπ結合を解説しました。共有結合には種類があることを理解して、σ結合とπ結合の特徴を学びましょう。. (adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); 有機化学では電子の状態を見極めることが重要です。電子の動きによって、有機化合物同士の反応が起こるからです。ただ大学など高度な学術機関で有機化学を勉強するとき、多くの人で理解できないものに電子軌道があります。高校生などで学ぶ電子軌道の考え方とまった... σ結合は結合エネルギーが強く、分子同士が強く結びついているため、有機化合物同士で反応を起こすのは難しくなっています。, π結合の結合エネルギーは低いため、少しエネルギーを与えるだけで結合が切れ、化合物同士が反応します。, 共有結合には種類があり、σ結合(シグマ結合)とπ結合(パイ結合)の2つがあります。. π電子 系において電子がある部分に 局在 していると考えた状態と,ほかの部分にも動きまわり非局在化していると考えた状態とのエネルギー差をいう.たとえば, E. Hückel (ヒュッケル)の 分子軌道法 (MO法)によると, ベンゼン の6個のπ電子が 孤立 (局在)している場合を想定すれば (図 (a)),このエネルギー Eloc は6αになる.ここ … 1.1 結合性軌道と反結合性軌道の違い; 1.2 反結合性軌道(lumo)は節があり、エネルギーが高い; 1.3 ヘリウムが分子にならないのは反結合性軌道が関係する; 2 p軌道でのσ結合とσ*結合によるhomoとlumo. では,エネルギーの低い結合性軌道)と,励起された先の軌 道(同,エネルギーの高い反結合性軌道)のエネルギー差 が小さければ良い. 分子軌道の分裂幅を小さくするには? 重なりが小さいπ結合の利用 ベンゼンの分子軌道 ベンゼンの分子軌道は、π軌道の重なりだけを考えます。 ベンゼンの各炭素原子は、隣り合った2個の炭素と1個の水素で結合しているので、 sp 2 混成軌道によるσ結合です。 てできる結合が共有結合である。 水素分子の解離エネルギーは 436kJ/mol であることが知 … 共役環状ポリエンの一般式. 量子化学での分子軌道について質問なのですが、ベンゼンやシクロブタジエンなどでよく各準位のエネルギーとそのエネルギーに入る電子の図が載っていて、さらにその横に模式図みたいなものが載っていますよね。これは、いったい何を意味す 物理化学でも有機化学でも、原子の状態を理解することは重要です。どのように原子同士が結合し、分子を形成するのか学ぶのです。これら結合の状態を知ることで、有機化合物の合成反応がどのように進行するのかを把握できます。, 分子の結合には、HOMOとLUMOが知られています。結合性軌道や反結合性軌道とも呼ばれています。HOMOは結合性軌道に関与しており、LUMOは反結合性軌道に関わっています。, 物理では、量子力学の分野になるのがHOMOとLUMOです。ただ物理の教科書では難しい数式が多く、理解するのが難しいです。, 結合の概念を理解するだけであれば、数式は不要です。抽象的な概念になりがちな結合性軌道と反結合性軌道ですが、できるだけ簡単に分かりやすく解説していきます。, 電子のような、小さい物質を理解するための学問に量子力学があります。量子力学にはフロンティア軌道論というものがあります。大まかに考えると、以下がフロンティア起動論になります。, また量子力学では、波動関数で表します。電子は波の一種であり、波動関数を利用するのです。, 海の波を見れば分かる通り、波は上下に波打っています。このとき同じ位相の波が組み合わさると、重なり合うことで波の振動幅は大きくなります。一方、逆位相の波が組み合わさると互いに打ち消しあい、振動は起こらなくなります。, 波動関数という言葉を使うと難しくなってしまいます。そうではなく、電子は波の一種であると理解すればいいです。, 電子が波としての性質があり、互いの性質を増強したり打ち消したりすることを理解すれば、HOMOとLUMOの考え方を理解できます。, HOMOはHighest Occupied Molecular Orbitalの略であり、HOMOは結合性軌道のことを指しています。一方でLUMOはLowest Unoccupied Molecular Orbitalの略であり、LUMOは反結合性軌道のことを指します。, 結合性軌道と反結合性軌道の違いは何でしょうか。これは文字通り、分子の結合に関与しているのが結合性軌道です。一方で、分子結合の開裂に関与しているのが反結合性軌道です。, まず、水素分子の例で考えてみましょう。水素原子は一つの電子があり、s軌道を有しています。同位相の水素原子同士が近づいたとき、2つの水素原子は重なり合います。つまり、原子同士が結合して分子を形成します。, 原子は陽子をもっています。そのため原子同士は反発します。ただ電子はマイナスの電荷をもつため、水素原子同士の間に電子が存在することで安定状態となり、結合を作るようになります。電子が水素分子の結合を作るのを助けるのです。, これが結合性軌道です。同位相の軌道が組み合わさることで結合性軌道(HOMO)が作られます。その結果、原子同士の結合を作ります。, それに対して、逆位相の波はどうでしょうか。逆位相の場合、先ほどとは様子が異なります。逆位相のため、水素原子の中間は波が完全にゼロになります。逆位相によって、互いの波を打ち消しあうからです。, このとき、波が存在しない中間部分を節といいます。節では、電子の存在確率がゼロになります。軌道に電子があったとしても、2つの水素原子の間には電子密度がありません。そのため結合を助けるのではなく、むしろ結合を開裂させるように働きます。これを反結合性軌道(LUMO)といいます。, 結合性軌道(HOMO)と反結合性軌道(LUMO)を比較したとき、当然ながら結合性軌道のほうがエネルギーは低いです。水素原子は互いに電子を共有し、水素分子を形成することで、より低いエネルギーになることを目指します。, それに対して、反結合性軌道はエネルギーが高いです。水素原子のs軌道よりも、高いエネルギー状態となるのがLUMOです。, 有機化合物が反応するとき、結合が切れなければいけません。エネルギーを与えることで、電子状態を反結合性軌道に導けば、分子の結合が切れます。その後、有機化学反応が起こり、分子同士が新たな結合を作ります。, HOMOとLUMOのエネルギー差をHOMO-LUMOギャップといいます。エネルギーギャップに相当するエネルギーを外から与えることで、電子は反結合性軌道へ移動し、結果として不安定な状態になります。, 例えば臭素分子(Br2)の場合、光エネルギーを当てることで結合が切れます。これはHOMO-LUMOギャップに相当する光エネルギーが加えられた結果、電子の状態が反結合性軌道となり、結合が切れて臭素原子となるからです。, 結合性軌道と反結合性軌道を学べば、なぜヘリウムが分子ではなく原子で存在するのか理解できるようになります。, 水素原子が1つの電子をもつのに対して、ヘリウムは2つの電子をもちます。仮にヘリウム(He)が分子を形成し、He2となればどうでしょうか。この場合、結合性軌道に電子が2つ入ります。また同時に、反結合性軌道にも電子が2つ入ります。, 結合性軌道だけに電子が入る場合、安定な状態になるため、水素のように結合が作られて分子となります。しかしヘリウムでは、反結合性軌道に電子が入ります。, 反結合性軌道は結合が開裂するように機能します。そのためヘリウム分子が作られたとしても、すぐに結合が開裂してヘリウム原子に戻ります。これが、ヘリウムが結合を作らず原子で存在する理由です。, ここまでの説明では、水素原子によるs軌道を用いて解説してきました。ただ水素以外の原子だと、s軌道だけでなくp軌道も持ちます。また電子軌道で共有結合を作るとき、σ結合やπ結合などの種類もあります。, これらの軌道や結合はどのように考えればいいのでしょうか。次にs軌道だけではなく、p軌道でも考えてみましょう。, 炭素や窒素、酸素などの原子では、より多くの電子をもつようになります。その結果、s軌道だけではなくp軌道を有するようになります。, 分子同士がつながるとき、最初は必ずσ結合(シグマ結合)を作ります。それぞれの原子が電子を出し合うことで、単結合を作るのです。p軌道が結合を作るとき、s軌道と同じように波の性質が異なるようになります。同位相では互いを強め合い、強い共有結合を作ります。これがσ結合です。, それに対して、逆位相では中間地点で電子密度がゼロになる部分が存在します。反結合性軌道であり、節を作ります。, s軌道とp軌道では、電子雲の形が異なります。ただ同位相や逆位相という違いによって、HOMOとLUMOを作るのは同じです。p軌道のσ結合では、以下のようなイメージで結合性軌道と反結合性軌道が形成されます。, なお結合性軌道では、単結合はどれもσ結合です。一方で反結合性軌道では、σ*結合と記します。同じσ結合(シグマ結合)ではあっても、LUMOで結合の開裂に関与する場合は書き方がσ*結合になると理解しましょう。, σ結合だと、非常に結合エネルギーが強いです。強い結合ですが、エネルギーを加えることで反結合性軌道であるσ*結合になると、単結合が開裂するようになります。, ただp軌道の結合では、σ結合(シグマ結合)だけでなくπ結合(パイ結合)も存在します。単結合ではσ結合になりますが、二重結合や三重結合を作る場合はπ結合が形成されます。共有結合には、σ結合とπ結合の種類があります。, π結合では、HOMOやLUMOはどのようになるのでしょうか。π結合では、電子が直接重なるわけではありません。p軌道が上下に伸び、互いが薄く重なることで結合を形成します。同位相の場合、これによって形成される結合がπ結合です。, 単結合はどれもσ結合ですが、二重結合などのように結合が増える場合、新たな結合の部分はπ結合となります。, それに対して、逆位相では反結合性軌道となります。互いに反発し、π軌道の中間地点で電子密度がゼロになります。節を生じることで、結合が切れるようになります。反結合性軌道のπ結合はπ*と書かれます。, それでは、結合性軌道・反結合性軌道とHOMO・LUMOは性質が違うのでしょうか。結合性軌道の一つにHOMOがあります。また、反結合性軌道の一つにLUMOがあります。結合性軌道や反結合性軌道はいくつか存在し、その中の一つがHOMOとLUMOだと理解しましょう。, HOMOとLUMOの説明では、1,3-ブタジエンが例として頻繁に利用されます。1,3-ブタジエンは2つの二重結合があり、以下がブタジエンの構造です。, 二重結合が一つある場合、1つのπ結合を有していることになります。1つのπ結合は結合性軌道と反結合性軌道の1つずつを生み出します。, そうしたとき、ブタジエンには2つのπ結合(二重結合)があります。これらは共役構造のため、結合性軌道と反結合性軌道をそれぞれ2つずつ有することを意味します。節の数が多くなるほど化合物は不安定になります。そのためエネルギー順に並べると、ブタジエンは以下のような軌道に分けることができます。, ブタジエンには、2つのπ結合があります。つまり、ブタジエンにある2つのπ結合は4つの電子を有していることが分かります。そこでエネルギー順に電子を入れると、以下のようになります。, 電子が入っている軌道が結合性軌道です。これら結合性軌道の中で、最もエネルギーの高い軌道がHOMOです。これが、最高被占軌道(Highest Occupied Molecular Orbital)の意味です。, 一方で電子が入っていない軌道は反結合性軌道です。これら反結合性軌道の中でも、最もエネルギーの低い軌道がLUMOです。これが、最低空軌道は(Lowest Unoccupied Molecular Orbital)の意味です。, ブタジエンでは、二重結合を2つもちます。それでは、こうした共役構造が増えていくとどうなるのでしょうか。その場合、HOMOとLUMOの間にあるエネルギーギャップは小さくなります。, 二重結合が一つだけだと、結合性軌道と反結合性軌道は1つずつ存在します。ただ共役構造をもつブタジエンでは、結合性軌道と反結合性軌道が2つずつあります。このとき二重結合がさらに増え、共役構造が伸びていけばどうでしょうか。それに伴い、結合性軌道と反結合性軌道の数は多くなります。, こうした共役構造を有する化合物では、色を吸収しやすいです。共役構造が増えるとHOMOとLUMOのエネルギー差は小さくなり、少しエネルギーを与えるだけで電子は不安定な状態に陥ります。, 共役構造が増えるほど、化合物を溶液に溶かしたとき、吸収スペクトル(光を吸収する波長)は長波長へシフトすることが知られています。長波長になるほど、光のエネルギーは弱いです。そのため、以下のようになります。, 共役が増えるとHOMOは高くなり、LUMOは低くなります。その結果、長波長(低エネルギー)の光を吸収しやすくなるのです。, なお、HOMOとLUMOの差がなくなるとどうなるのでしょうか。この場合、金属のような状態になります。金属ではHOMOとLUMOのエネルギー差がなく、電子は自由に金属を移動できます。, 原子が結合することで分子となります。これら分子には電子が存在し、電子は動くようになります。ただ電子は自由に動けるわけではなく、規則に従って動きます。, そうしたとき、電子の状態や結合の様子を知るためのツールに結合性軌道や反結合性軌道があります。また結合性軌道と反結合性軌道の中には、HOMOとLUMOがあります。量子力学の波動関数では、電子を波として取り扱います。そうすると、HOMOとLUMOについて違いを理解できるようになります。, 物理化学や有機化学を学ぶとき、最初に学ぶ内容の一つが結合性軌道と反結合性軌道です。しかし、これらの違いやエネルギーの意味、見分け方は分かりにくいです。, そうはいっても、電子が波であることを認識し、互いに重なったり打ち消し合ったりすることさえ理解すれば、HOMOとLUMOの概念が分かるようになります。電子の状態を知ることは化合物の反応を学ぶために重要です。電子軌道がどうなっているのか、最初に理解するようにしましょう。. 金属 成分分析 費用, ローゼンメイデン めぐ 死亡, 函館 映画館 昔, フランス アフリカ 植民地, 大阪府立大学 生命環境科学域 獣医学類, ギルティ 4話 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